会社の経営が苦しい。社長は3年間給料を取っていない。だから源泉徴収もしていない。「社長が給料を取らないことは通常はありえない。霞を食べて生きているのか。だから給料を払ったものとして源泉所得税を課税する」と言われそうだがこのままで問題はないか?
問題はない。源泉所得税は課税されない。
会社の経営上、やむを得ず社長が給料(役員報酬)を取らないことがある。 役員給与を得ていないのであるから、源泉所得税が課税されるはずがない。したがって税務上の問題はない。
問題はないが、まれに社長が一定以上の生活水準を維持している場合、その生活資金の出所を問われることがある。貯金を取崩したり、妻の給料で生活しているというのであれば何も問題はない。しかし、例えば社長が資産を売却して、その資金で生活をしているにもかかわらず、売却によって得た所得を申告していなかったりすると、税務上問題になる。
会社に損失が出ているのに、あえて社長が役員給与など取って源泉徴収をする必要などはない。このような会社の場合、社長は会社に運転資金を貸していることが多いから、役員給与を取ることに代えて、社長は会社から貸付金の返済を受け、これを生活資金に充てればよい。貸付金の返済を受けたからといって課税されることはない。
上記の記述は、2012年4月30日現在の法令・通達等に基づいています。その後の税制改正や個別事情等により、異なる課税関係が生じる場合がありますのでご注意ください。
2012.4.30
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