「路線価」とは、土地等の評価額を算定するための基準で、相続税や贈与税の計算の基礎となるものです。毎年7月に国税庁から発表され、評価しようとする土地が面している路線ごとに、土地の1u当たりの価額が示されています。
平成20年のリーマンショック以降、路線価は毎年全国的に下落していますが、今年度もこの下落傾向が続き、全国36万地点の標準宅地の変動率は、
前年比平均で3.1%の下落となっています。この下落幅は、前年度の4.4%と比較すると多少好転したものとなっていますが、依然厳しい数値となっています。
毎年のことながら、日本一の路線価を記録したのは、今年度も東京都中央区銀座5丁目の鳩居堂前で、23年度の路線価は22,000千円(前年比−5.2%)でした。
ところで、この路線価はあくまで平成23年1月1日時点でのものですから、3月11日の東日本大震災による影響は考慮されていないものとなっています。震災により大きな被害を受けた地域にある土地等の価額は、1月1日時点の価額から相当程度下落していると考えられるため、これらの地域内にある土地等については、「震災後を基準とした価額」で
評価することができるという特例措置が設けられています。
具体的には、1月1日時点の路線価に一定の「調整率」を乗じた価額で評価できるというものですが、福島第一原発事故が収束していないこともあり、調整率の設定には難航が予想され、国税庁は10月ないし11月に国税庁ホームページで調整率を公開する予定にしています。