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ながい いたる税理士事務所

永井格税理士事務所
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    Q&A
NO.28
  平成25年1月から、源泉所得税に「復興特別所得税」が加算されます。

                    平成25年1月から、源泉徴収事務が変わります。
 平成25年1月以降、所得税の源泉徴収義務者(会社)は、給料や報酬などから源泉徴収をする際、源泉所得税のほかに「復興特別所得税」を徴収して国に納付しなければならないことになります。 
 復興特別所得税は、源泉徴収すべき通常の所得税の額に2.1%の税率を乗じて計算します。
 実際には、所得税と復興特別所得税とは別個に徴収するのではなく、給与等の基になる金額に、所得税と復興特別所得税の税率を合計した税率を乗じて計算した金額をまとめて徴収することになります。納付も、別々の納付書を用いるのではなく、1枚の納付書で行います。
 ただし、復興特別所得税を含む納付書の様式は従来のものと異なります。税務署は納付された税金に復興特別所得税が含まれているかどうかを、納付書の種類で判断しますから注意が必要です。


     給与等の金額  ×  合計税率(%)  
源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額
    
  所得税率×102.1% 

1.給与に係る源泉徴収について
  給与に対する源泉徴収は、年末調整の時期に税務署から「平成25年分の源泉徴収税額表」が送られてきます
 から、これに基づいて行えば実務的に問題はないと思われます。
  ただ、源泉徴収税額表はここ数年変更がありませんでしたから、誤って平成24年分のものを使用したり、給与計算
 ソフトのバージョンアップを忘れたりしないように注意する必要があります。


2.報酬・料金に係る源泉徴収について
  報酬・料金に対する源泉徴収税額は、平成24年分までは報酬・料金の金額に原則10%を乗じて計算されますが、
 平成25年1月以降、復興特別所得税を併せた税率は10.21%(10%×102.1%)となります。
 
       
    <例>  税理士報酬      50,000円
          消費税(5%)       2,500円
           源泉徴収税額  − 5,105円 (50,000円×10.21% 1円未満の端数は切り捨てます)

           差引き報酬額     47,395円
      * 実務では、「差引き報酬額を0.9479クッシーナク)で割ると、消費税抜の本体価額になる」と覚えておくと便利です。
       但し、この方法が使えるのは報酬額が100万円以下の場合に限ります。

  給与等に対する源泉徴収は、市販の給与ソフトが対応していますので実務上の煩雑さは回避できますが、報酬・料
 金に対する源泉徴収は、これまでは税額が支払い金額の原則10%と単純であったために、EXCELを利用したり手
 計算で行っている場合が多く、今後の対応が必要になります。

  特に、多数の建築士・税理士・弁護士・ホステス等と契約している場合は、源泉徴収事務を円滑に行うためにEXCE
 Lの算式を修正するなど、早めの対策が望まれます。


3.実務上の注意点
  
このように、平成25年から源泉徴収する税額が変わることになりますが、源泉徴収事務の移行期には次のような
 問題が発生することが発生が予想されます。
 @ 給料を平成24年12月末で締めて、平成25年1月に支給する場合
    源泉徴収事務を行う上で、給与が平成24年と平成25年とのどちらに帰属するかについては、その給与の「支
   給日」がいつかによって判断します。
    したがって、平成24年12月分の給与であっても、その支給日が平成25年1月であれば、平成25年に帰
   属する給与として復興特別所得税を徴収する必要があります。

    このことは、給与ばかりでなく、税理士や弁護士に支払う報酬などについても同じです。
  A 平成24年12月以前に支給日が到来している未払給与を、平成25年1月以降に支給する場合
     給与の帰属は、あくまで「支給日」で判断しますから、12月以前に支給日が到来している給与を、資金的な
   事情などで1月以降に支給した場合は、契約上の支給日が12月である以上、平成24年に帰属する給与
   とされます。
したがって、この場合は復興特別所得税を徴収する必要はありません。
  B 税理士報酬などは、役務提供が完了した日が12月か1月かで徴収の要否を判断
    税理士や弁護士などの報酬に対していつから復興特別所得税を徴収するかは、その役務提供が完了した
   日(仕事が終わった日)がいつかで判断します。

    
つまり、税理士などの役務提供が完了した日が12月中であれば復興特別所得税を徴収する必要はありません
   が、その日が
1月になってからの場合は復興特別所得税を徴収しなければなりません。
    例えば、12月1日〜12月31日の役務提供に対する報酬を1月20日に支払う場合は、役務提供が完了した日
   は12月31日ですから復興特別所得税の徴収は不要です。ところが12月21日〜1月20日までの役務提供に対
   する報酬が1月31日に支払われる契約になっていたとすると、役務提供が完了する日は1月20日ですから復興
   特別所得税を徴収することになります。
    給与については締日と支給日が雇用契約などで明確にされている場合が多いのに対して、報酬などは1月に支
   払われた報酬が12月分なのか1月分なのかが必ずしも明確にされていないこともあるようです。特に毎月定額で
   支払われる税理士報酬などにこの例がみられます。
    このような場合は、復興特別所得税をいつの支払い分から徴収するのかで混乱が生じます。今後消費税の税率
   改定があることも見越して、この際、報酬などについても締日と支払日を明確にしておくと良いでしょう。

  復興特別所得税の徴収は、平成25年1月1日から平成49年12月31日までと長期にわたるものですから、来年1
 月からの経理・総務の繁忙期に備えて今年中に体制を整えておきたいものです。

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