東京都が尖閣諸島を地権者から買い取るための寄附金は、7月30日現在で94,971件、13億9千万円に上っています。この寄附金は、尖閣諸島の購入や、その活用のためにあてることとされています。
ところで、東京都のホームページを見ますと、この寄附金は、地方自治法にいう「負担付きの寄附」には該当しないと表示されています。
この場合「負担付きの寄附」というのは、「もし、寄附金を尖閣諸島購入にあてられなかった場合は、寄附金を返還する」などという条件がついている寄附を言います。東京都の尖閣諸島購入のための寄附金にはこのような条件が付いていませんから、東京都はリスクを負わずに寄附金を集めることができます。リスクがないので、寄附金の募集について議会の議決も必要ありません。
したがって、仮に尖閣諸島を国が直接地権者から購入したとすると、東京都が集めた寄付金は宙に浮いてしまうわけですが、このような場合でも東京都に寄附金を返還するなどの負担が発生することはありません。
ところで、この寄附金の税務上の扱いは、法人(会社)で寄附した場合と個人で寄附した場合とで異なりますが、いずれにしても一般の寄附金とは異なり、納税者は有利な扱いを受けることができます。
東京都が尖閣諸島買取に失敗した場合でも、寄附をした法人や個人が税務上有利な扱いを受けられることに変わりはありません。
法人で寄附した場合 |
全額損金として処理できます。 |
個人で寄附した場合 |
一定の金額を限度として、寄附金控除の適用を受けることができます。 |
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これらの税務上の規定の適用を受ける場合は、寄附金を振り込むだけでなく、東京都が発行する「寄附金領収書」が必要になります。 寄附金領収書は、東京都が定めた様式に「振込み控」を添付して、
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